高知県議会 > 2004-09-21 >
09月21日-01号

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  1. 高知県議会 2004-09-21
    09月21日-01号


    取得元: 高知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成16年  9月 定例会(第280回)招集告示      高知県告示第568号       高知県議会定例会を、平成16年9月21日に高知県議会議事堂に招集する。        平成16年9月14日                      高知県知事 橋本大二郎---------------------------------------議員席次       1番  武石利彦君   2番  中西 哲君       3番  西岡仁司君   4番  三石文隆君       5番  森田英二君   6番  山本広明君       7番  森 雅宣君   8番  東川正弘君       9番  溝渕健夫君   10番  元木益樹君       11番  依光隆夫君   12番  土森正典君       13番  西森潮三君   14番  結城健輔君       15番  西岡寅八郎君  16番  浜田英宏君       17番  樋口秀洋君   18番  植田壮一郎君       19番  式地寛肇君   20番  高野光二郎君       21番  黒岩直良君   22番  佐竹紀夫君       23番  中内桂郎君   24番  二神正三君       25番  朝比奈利広君  26番  岡崎俊一君       27番  西森雅和君   28番  黒岩正好君       29番  池脇純一君   30番  坂本茂雄君       31番  浜田嘉彦君   32番  田村輝雄君       33番  江渕征香君   34番   欠番       35番  森 祥一君   36番  吉良富彦君       37番  谷本敏明君   38番  米田 稔君       39番  牧 義信君   40番  塚地佐智君       41番  田頭文吾郎君          第280回高知県議会定例会会議録---------------------------------------         平成16年9月21日(火曜日)開議第1日---------------------------------------出席議員       1番  武石利彦君       2番  中西 哲君       3番  西岡仁司君       4番  三石文隆君       5番  森田英二君       6番  山本広明君       7番  森 雅宣君       8番  東川正弘君       9番  溝渕健夫君       10番  元木益樹君       11番  依光隆夫君       12番  土森正典君       13番  西森潮三君       14番  結城健輔君       15番  西岡寅八郎君       16番  浜田英宏君       17番  樋口秀洋君       18番  植田壮一郎君       19番  式地寛肇君       20番  高野光二郎君       21番  黒岩直良君       22番  佐竹紀夫君       23番  中内桂郎君       24番  二神正三君       25番  朝比奈利広君       26番  岡崎俊一君       27番  西森雅和君       28番  黒岩正好君       29番  池脇純一君       30番  坂本茂雄君       31番  浜田嘉彦君       32番  田村輝雄君       33番  江渕征香君       35番  森 祥一君       36番  吉良富彦君       37番  谷本敏明君       38番  米田 稔君       39番  牧 義信君       40番  塚地佐智君       41番  田頭文吾郎欠席議員       なし---------------------------------------説明のため出席した者  知事       橋本大二郎君  副知事      吉良史子君  出納長           植田紹春君  職務代理者  総務部長     池本武広君  理事           宮崎利博君  (危機管理担当)  企画振興部長   十河 清君  理事           山本俊二郎君  (政策推進担当)  理事(情報化           石川雄章君  戦略推進担当)  健康福祉部長   吉岡芳子君  文化環境部長   尾崎祐正君  商工労働部長   起塚昌明君  理事           上林 匡君  (産業技術担当)  農林水産部長   星沢昭雄君  理事           山崎隆章君  (競馬担当)  土木部長     見波 潔君  森林局長     村手 聡君  海洋局長     久保田寿一君  港湾空港局長   加藤久晶君  企業局長     嵐  護君  病院局長     田中 譲君  教育委員長    宮地彌典君  教育長      大崎博澄君  人事委員長    上谷定生君  人事委員会           阿部隆志君  事務局長  公安委員長    鈴木朝夫君  警察本部長    黒木慶英君  代表監査委員   奴田原 訂君  監査委員           中岡宏昭君  事務局長---------------------------------------事務局職員出席者  事務局長     恒石好信君  事務局次長    井上 健君  議事課長     鍵山和司君  政務調査課長   竹内豊明君  議事課長補佐   野瀬孝志君  主幹       湯川さほり君---------------------------------------議事日程(第1号)   平成16年9月21日午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 会期決定の件第3 第1号 平成16年度高知県一般会計補正予算 第2号 平成16年度高知県土地取得事業特別会計補正予算 第3号 平成16年度高知県電気事業会計補正予算 第4号 高知県財政状況の公表に関する条例議案 第5号 高知県税条例の一部を改正する条例議案 第6号 高知県立総合看護専門学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案 第7号 高知県障害者施策推進協議会条例の一部を改正する条例議案 第8号 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案 第9号 高知県財産条例の一部を改正する条例議案 第10号 高知県工業用水道有料駐車場料金徴収条例の一部を改正する条例議案 第11号 高知県立学校授業料等徴収条例の一部を改正する条例議案 第12号 高知県立中学校高等学校ろう学校、盲学校及び養護学校設置条例の一部を改正する条例議案 第13号 高知県が当事者である和解に関する議案 第14号 公平委員会の事務の受託に関する議案 第15号 県有財産山内家歴史資料)の取得に関する議案 第16号 県が行う土木その他の建設事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案 第17号 国道381号道路改築境ヶ谷トンネル工事請負契約の締結に関する議案 第18号 国道494号道路改築(桑田山第1トンネル工事請負契約の締結に関する議案第4 坂本ダム等に関する調査特別委員会調査報告件---------------------------------------   午前10時2分開会 開議 ○議長(森雅宣君) ただいまから平成16年9月高知県議会定例会を開会いたします。 これより本日の会議を開きます。--------------------------------------- △諸般の報告 ○議長(森雅宣君) 御報告いたします。 7月26日に設置されました決算特別委員会から、委員長に土森正典君、副委員長に浜田嘉彦君をそれぞれ互選した旨通知がありましたので、御報告いたします。 次に、各常任委員長及び議会運営委員長から閉会中における委員会の審査並びに調査の経過報告があり、その写しをお手元にお配りいたしてあります。 また、坂本ダム等に関する調査特別委員長から調査の経過及び結果の報告書が提出されましたので、あわせてお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。 次に、教育長から請願の処理についての報告があり、その写しをお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。 さきに議決された意見書に関する結果につきましては、これを取りまとめ、お手元にお配りいたしてありますので御了承願います。 次に、知事から地方自治法第180条第2項の規定に基づく専決処分報告がありましたので、その写しをお手元にお配りいたしてあります。 次に、知事から地方自治法第243条の3第2項の規定に基づき法人の経営状況を説明する書類が提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。 次に、知事から7月定例会で配付いたしました平成15年度高知県公営企業会計決算審査意見書について訂正の申し出があり、さきにお配りいたしてありますとおり、その正誤表を決算特別委員会に送付しておきましたので、御了承願います。 次に、去る8月9日香川県で開催されました四国4県議会正副議長会議及び本月15日付で承諾されました中国四国九県議会正副議長会議におきまして議決されました事項をお手元にお配りいたしてありますので、御了承願います。 次に、人事委員会から職員の給与(寒冷地手当)に関する報告及び勧告があり、その写しをさきにお配りいたしておきましたので、御了承願います。  [委員会報告書、請願の処理について、意見書に関する結果について それぞれ巻末225、230、233ページに掲載 坂本ダム等に関する調査特別委員会報告書 巻末に掲載]---------------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(森雅宣君) これより日程に入ります。 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員は、会議規則の定めるところにより、今期定例会を通じて次の3君にお願いいたします。  10番  元木益樹君  19番  式地寛肇君  36番  吉良富彦--------------------------------------- △会期の決定 ○議長(森雅宣君) 次に、日程第2、会期決定の件を議題といたします。 お諮りいたします。今期定例会の会期を、本日から10月8日までの18日間といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。  (「異議なし」と言う者あり) ○議長(森雅宣君) 御異議ないものと認めます。よって、今期定例会の会期は、本日から10月8日までの18日間と決しました。--------------------------------------- △議案の上程、提出者の説明 ○議長(森雅宣君) 御報告いたします。 知事から議案が提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。  [提出書 巻末237ページに掲載] 日程第3、第1号「平成16年度高知県一般会計補正予算」から第18号「国道494号道路改築(桑田山第1トンネル工事請負契約の締結に関する議案」まで、以上18件を一括議題といたします。 ただいま議題となりました議案に対する提出者の説明を求めます。 県知事橋本大二郎君。  (知事橋本大二郎君登壇) ◎知事(橋本大二郎君) 本日、議員の皆様の御出席をいただき、平成16年9月県議会定例会が開かれますことを厚くお礼申し上げます。 ことしは、6月に台風4号が室戸市に上陸して以来、次々と来襲する台風によって県内の各地で大きな被害が発生しました。被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。 特に、台風15号の影響による大雨では、大川村や土佐町など嶺北地域を中心に土石流による家屋の流失や損壊など大きな被害が出ましたほか、土砂崩れなどによって道路の通行どめが相次いだ結果、多くの地域が孤立した状態になりました。そうした中、大川村の朝谷地区で合宿をしていた134名の小学生が取り残されるといった事態も発生しましたが、関係機関の連携によって無事救出することができました。県では、最も大きな被害を受けた大川村に災害救助法を適用しますとともに、職員を派遣して応急対応や早期の復旧に向けた支援を行いました。また、台風16号と18号では、県内全域が暴風域に入りましたため、強い風によって多くの方々がけがをされたほか、各地で家屋の損壊だけでなく、収穫を目前にした農作物や本県の園芸農業を支えるビニールハウスなどにも大きな被害が出ました。加えまして、大規模な停電や電話が不通になったことによって不便な生活を強いられた方も多かったことと思います。今後は、被害を受けた地域の方々が一日も早くもとの平穏な生活に戻れますよう、災害復旧に全力を挙げて取り組んでいきます。 このため、今回、可能な限り前倒しで復旧事業を行いますための補正予算や、暴風雨によって農作物などに大きな被害を受けられました農林業の方々が災害復旧のために借り入れる資金の利子負担を軽減するための債務負担行為の補正を提案しています。また、被害を受けられた方々に対しましては、県税の納付の期限を延長しますほか、被害の程度に応じまして減免の措置を行うようにしています。 一方、これだけ大きな災害だったにもかかわらず、土砂崩れや家屋の損壊による死者や行方不明者は一人も出ていません。これは、被災する前の自主避難や被災者の救出など、地元の消防団を初めとする地域の方々の迅速で適切な行動が大きく貢献しています。こうした地域の皆さんの連携がとうとい命を守ることにつながりますし、被害を最小限に食いとめることにもなりますので、今後も地域で支え合う防災対策を一層推進していきたいと思います。 国と地方の税財源のあり方を見直す三位一体の改革に関しましては、先月、新潟市で行われた全国知事会議国庫補助負担金などに関する改革案が審議されました。また、そこでは、義務教育公共事業に関することのほか、国と地方との協議機関の設置などをめぐって白熱した議論が展開されましたが、最終的には地方としての具体的な改革案を取りまとめることができました。この案の中には砂防、地すべり、あるいは治山といった災害の予防に関する事業が含まれていますので、本県にとっては一部不満も残る内容になっています。こうした部分に対しましては、会議の場でも国と地方の役割分担の面から指摘をしましたが、全体としましては、地方分権を進める大きなチャンスであるこの機会に地方としての改革案をまとめ上げることが大切だと考えましたので、最終的には改革案に賛同しました。 この案を受けまして、政府では経済財政諮問会議の中で三位一体の改革の集中審議が始まっています。ただ、予想されたことではありますが、国の各省からは補助金を死守しようとする動きや税源移譲の規模を極力抑えようとする考えが示されますなど、政府の要請に地方としてこたえたはずの改革案を正面から受けとめたとは到底考えられない主張が見受けられます。このような中、地方の側が改革案の提出に当たって前提条件としました国と地方との協議機関がこのたび設置されましたので、この場を通じて地方の意見をしっかりと反映させますとともに、三位一体の改革の全体像が少しでも早く提示されますよう国に求めていかなければならないと考えています。あわせまして、地方交付税の一方的な削減といったことを再び繰り返させないためにも、議論の状況によっては地方からの提案の撤回も含めた強い態度で臨む必要があると思っています。 そうした地方交付税の削減とも大きなかかわりがありますが、今、地方の財政は危機的な状況に瀕しています。特に、自主財源が乏しく地方交付税への依存度が高い本県は、三位一体の改革に伴う交付税のさらなる見直しが行われます中、ますます厳しい状況に直面しています。地方分権を進めるという三位一体の改革の本来の趣旨からも外れた今回の地方交付税の大幅な削減は、国と地方の信頼関係を損なう結果をもたらしましたが、これは県民の生活を守るという立場からは到底容認できるものではありませんので、あらゆる機会を通じて国に対して意見を申し述べてきました。 しかし、その一方で、国と地方を合わせて700兆円を超える長期の借入金があることを踏まえれば、こうした厳しい状況が今後も続くであろうことは現実面では覚悟しておかなければなりません。また、県内の経済の現状から見ましても県税収入の急激な増加は見込めませんので、今のままの財政運営を続けていたのでは、いずれ県の財政が破綻して、企業でいえば倒産に当たるいわゆる財政再建団体に転落することも、現実の危機としてとらえなければならない事態になっています。 こうした最悪の事態を避けながら、切迫した財政危機を乗り切りますとともに、将来にわたって持続可能な財政構造を築いていきますためにも、県の職員が一丸となった行財政改革取り組みが欠かせませんので、当面、平成19年度までを目標とした具体的な対応指針を定めました。今後は、この指針に沿って職員一人一人が強い危機感を持ちますとともに、その「人と知恵」の力を最大限に発揮しますことで、予算は減っても必要なサービスはできる限り低下させないという考え方を常に意識して取り組んでいきたいと思います。 また、住民力を生かすとの基本に立って、NPOを初めさまざまな地域の皆さんのお力をおかりしながら、地域で支え合う仕組みづくりを進めていきます。ただ、この財政危機を乗り切るためには、あらゆる分野を聖域なく見直していかなくてはなりません。したがって、県民の皆様には、その結果として一定の負担や痛みを分かち合っていただかざるを得ません。また、そういったことをお願いしますからには、当然のことながら県庁が率先して経費削減のために最大限の努力を積み重ねる必要があります。このため、事務事業のゼロベースからの見直しはもちろん、これまで長期的なビジョンの研究や人材の育成に成果を上げてきました財団法人高知政策総合研究所を廃止しますなど、外郭団体の見直しにも徹底して取り組んでいきます。 内部的には、旅費制度の見直しといったこれまで以上の事務経費の縮減はもちろんのこと、職員定数の削減や手当ての見直しに努めますが、それだけでなく、県民の皆様の負担や痛みを職員全体で分かち合いますためにも、特別職から一般職に至るまですべての職員の給与を向こう3年間にわたって減額することにしました。このような厳しい状況の中でも、私自身が先頭に立って全力をもってこの難局を乗り越える覚悟ですので、県民の皆様や県議会の皆様の御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 市町村合併に関しましては、平成の合併としては県内で第1号となります新しいいの町が、いよいよ来月1日に誕生します。新しいいの町の皆様におかれましては、よりよいまちづくりができますよう、一歩一歩着実に歩みを進めていただきたいと思います。 このほかにも、県内ではあと2つの地域で合併が決定していますが、住民投票やアンケートの結果、合併協議会が解散する地域が相次いでいます。こうした地域では、多くの方々が合併を望んでいるにもかかわらず、一部の市町村で賛同が得られないために全体が白紙に戻らざるを得ないといったケースが大半です。これらの動きを見ていて、合併は構成する市町村すべての同意が必要という本来的な難しさも改めて感じますが、枠組みが崩れたため思いがかなわなかった市町村の皆様からは落胆やもどかしさを訴える声も上がっています。 そこで、枠組みが崩れた地域で関係の自治体の方々にお話を聞いてみますと、共通する課題としては、まず、合併の必要性や財政の厳しさなどを住民の皆さんに説明して十分な理解を得ることができなかった点を挙げられます。加えまして、過疎化が進む中で、地方財政の見通しも不透明なことから将来に向けたまちづくりの夢が描きにくいことのほか、市町村の間で格差のある住民負担を平準化しようとしますと、一部の市町村では住民負担を引き上げざるを得ないことへの不満もありました。その一方で、地域によっては、合併に対する漠然としたアレルギーといったものや、周辺となることへの不安、あるいは地域の間での不信感もあったとお聞きしています。ただ、そうした中でも、既に幾つかの地域では新たな枠組みが立ち上がって、合併に向けての協議が進められています。県としましては、そうした動きを積極的に支援しますとともに、住民の皆さんに関心を高めていただきますため、私自身が地域に出向いていくことにも引き続き取り組んでいきます。 このたび山内家から、県が寄託を受けて土佐山内家宝物資料館に保管していましたすべての資料を含みますおよそ3万6,000点を県に寄贈していただきました。その御厚意に深く感謝しますとともに、貴重な資料を県民共有の文化遺産として後世に伝えながら、積極的に活用していきたいと考えています。 あわせまして、古今和歌集の写本である国宝の「高野切本」を売却したいとの申し出をいただきました。この資料は文化遺産としても極めて価値の高いものですが、それだけでなく、土佐藩の初代藩主である山内一豊の妻千代夫人が実家から持参したものと伝えられていますので、平成18年のNHKの大河ドラマで放映が決定しています「功名が辻」を生かした取り組みとあわせまして、観光資源としての活用も大いに期待ができます。このため、今議会に「高野切本」を取得するための議案や補正予算を提案しています。また、今回寄贈されました資料の中には一豊や千代夫人ゆかりのものが100点余りも含まれていますので、今後大いに活用していきたいと思います。 さらに、この大河ドラマの決定を受けて去る9月7日には、高知県のイメージアップと観光客の誘致を促進しますために民間団体や関係の市町村で構成する推進協議会が発足しました。今後は、この組織を核として、大河ドラマを生かした観光振興に取り組んでいきます。 室戸市が進めます、いやしの里構想の中のタラソテラピーの施設に関しましては、その経営を担う株式会社シュウウエムラの進出に当たっての準備や地元の協力体制などの条件が整いましたので、本日午後、進出協定の調印を行います。この日を迎えることができましたのも、企業の熱意はもちろんのこと、進出予定地である高岡地区の皆さんの御理解と御協力、そして関係の皆さんの御尽力のおかげですので、この場をおかりして深く感謝申し上げます。 タラソテラピーは、海水や海藻といった海の資源を活用して海洋性の気候や豊かな自然環境の中で健康づくりをする自然療法で、フランスを初めとするヨーロッパではストレスの解消や生活習慣病の予防など幅広い目的で親しまれています。このたび建設していただく施設にはホテルやレストランも併設される計画になっていますので、同じ時期にオープンする予定の室戸市の健康増進施設とともに、東部地域の観光や交流の拠点としてその役割を大いに期待しています。また、このような室戸の景観と海洋深層水を生かした取り組みは、室戸海洋深層水ブランド力やイメージを高めることにもつながると思いますので、今回室戸市が整備します公園や健康増進施設の建設を助成するための補正予算を提案しています。 長引く景気の低迷や公共事業の減少などによって、これまで本県の雇用や地域経済に重要な役割を果たしてきた建設業を取り巻く環境は年々厳しいものになっています。こうした中、本県の経済や雇用政策の観点からも、建設業の新たな分野への参入は大きな課題になっています。このため、産業振興センターなど関係の機関と連携しまして、この6月から8月にかけて、国の支援策や農林業への進出に対する支援体制を知っていただくための研修会を県内各地で開催しました。その研修に参加された企業の中で、異なる分野への進出を検討しています企業の半数近くは農林業への進出を検討されていましたので、今回の補正予算では、そのようなニーズを踏まえまして、異業種から新たに農業に参入して大規模な園芸農業を行う農業生産法人を支援するためのモデル事業を創設することにしています。こうした事業は農業の担い手を確保するためにも意義のあることですので、一つでも多くの成功事例をつくり上げますことで、建設業に限らず多くの企業が農業の分野に参入できる環境を整えていきたいと考えています。 昨年9月、本県の園芸農業の危機的な状況に対応しますため、農業団体と県が共同して県園芸戦略推進会議を立ち上げました。その会議では、系統共販、つまり県内で一つの販売戦略をもとに園芸農産物を販売していくシステムや、販売価格や出荷コストを品目ごとに集計して配分する共同計算、さらには消費者の信頼にこたえられる安全・安心への取り組みなど、本県の園芸農業が抱える課題を6つのテーマに分けて、その対応策を検討してきました。その結果、8月18日に開かれた会議では、まず第一に、生産者がまとまって販売することで優位な取引ができるという系統共販の持つ戦略的な意義を、生産者の皆さんや農業団体が再確認することを申し合わせました。その上で、安全・安心に向けて、農薬の使用の時期や回数などを記帳する生産履歴の整備などを農業団体がみずから推進していくことにしました。園芸農業を立て直しますためには、生産を担う農協と販売を担う園芸連とが一体的に取り組みますことで生産者に信頼される組織になることが欠かせない課題ですので、県としましても農業団体と一体となってその課題の解決に取り組んでいきます。 日高村に計画しています産業廃棄物処理施設の建設予定地の周辺を調査します中で、環境省や高知県が絶滅危惧種に指定していますオオタカの巣があることが確認されました。このことによりまして、最短でも来年の夏までは、環境省のマニュアルに沿ってオオタカが生息するための環境やその行動圏を調査する必要が生じています。ただ、現時点では、確認された巣と計画地との間には一定の距離があることや、計画地そのものが既に開発された場所であることから、建設自体が中止になることは想定していませんが、生態系を乱すことのないよう柔軟で慎重な対応が求められています。このため、平成17年度の着工を目指していました建設スケジュールへの影響は避けることができませんが、今後はその調査結果も踏まえまして専門家で構成する検討委員会で、保護のための方策や、施設の建設がオオタカに影響を与えないような手法の検討を進めていきます。 昨年、森林や山を守ることの大切さへの理解と関心を深めていただくために制定しましたこうち山の日は、この11月11日で2年目を迎えます。ことしは、昨年に引き続き、山村地域の皆さんが県内の都市部の皆さんや四国各県の方々と一緒になって森づくりの技術を競う大会が開催されますほか、森林の役割を学習することで子供たちに環境を守るという意識を持ってもらおうと、その学習した成果を発表する会がNPO団体によって開催されますなど、県民の方々の自由な発想によります個性的な取り組みが実施されます。県としましても、このような主体的な取り組みを積極的に支援しますことで、こうち山の日の活動に、より多くの県民の皆様が参加していただけるよう取り組んでいきます。 また、この山の日の活動を四国全体に広げるため、11月14日には本山町で四国の森林づくりのためのシンポジウムを開催することにしています。このシンポジウムでは、森林づくりのために四国全体で連携しながら取り組んでいくことを共同して宣言することにしていますので、四国からの特色ある取り組みとして全国に情報発信していきたいと考えています。 近海カツオの一本釣りの振興のために漁船の建造を支援します補助制度に関しましては、この4月以降も引き続き、事業主体として予定していました県漁連と協議を重ねてきましたが、残念ながら事業を引き受けていただくことについて理解を得ることができませんでした。このため県漁連にかわる事業主体を探してきましたが、現状では適当な事業主体が見つかりませんので、予算の執行を断念せざるを得なくなりました。こうしたことから今回、補助金を減額する補正予算の提案をしています。 このような結果になりましたのは、予算の編成の段階で、具体的な事業の内容やリスクを回避するための対策などに関しまして県漁連との間の意思の疎通が十分でなかったためだと受けとめています。しかし、本県の近海カツオの一本釣り漁船は、そのほとんどが老朽化して他の地域との間の競争力を失いつつありますので、関係の皆様からは新しい船の建造に対する支援の要望が引き続き寄せられています。言うまでもなく、土佐の一本釣りは、大切な雇用の場であるだけでなく、高知の文化観光資源としても重要な役割を担ってきましたので、もしこの灯が消えることになれば水産業だけでなく各方面に大きな影響を与えることになります。このため今後は、リース事業以外の方法による支援策がないかを関係団体とも十分に協議しまして、土佐のカツオのブランドを守るための新たな支援策を検討していきます。 高知市から安芸市に至る高知東部自動車道は、現在、都市計画の変更の作業を進めています。これは、一部の区間を除いて通行料金を無料化することを前提としてインターチェンジの構造を変更するものです。一方、須崎市から窪川町の区間に関しましても、日本道路公団による整備方式から国が直轄で整備する方式に変わりましたので、須崎東インターチェンジから西は実質的に無料化が決定しています。高速道路が無料で利用できることになりますと、利用者の増加が見込まれるだけでなく、インターチェンジ周辺の土地の利用なども含めましてさまざまなメリットが考えられますので、それらを最大限に生かせるような取り組みを地域の皆さんとともに進めていきたいと考えています。 さらに、国土交通省では、高知市周辺の渋滞の緩和や高速道路の利用促進への効果を検証するため、高知自動車道の南国インターチェンジから伊野インターチェンジの間で、料金をおよそ半額とする社会実験を10月中旬から2カ月余りの期間で行うことにしていますので、県としましてもこの実験を支援していきます。 宿毛市と佐伯市を結ぶフェリーに関しましては、改めて地元を含めた数社に打診をしました。その結果、現在、大分県の運送会社が新しい会社を設立して航路の再開を検討したいとの意向を示されています。今後は、この会社と具体的な運航計画や資金計画などについて協議を進めますことで、一日も早い航路の再開に取り組んでいきます。 ことしは本県と中国安徽省との友好提携10周年という節目の年ですので、去る8月24日から県議会や県民の方々とともに安徽省を訪問して、祝賀会や記念行事を通じて交流を深めてきました。この中で、牧野植物園が合肥植物園と友好植物園の提携を結びましたほか、林業の分野でも友好交流の事業を進めるための協定を結びました。さらに、今月9日には王金山省長を初めとします一行が来高されまして、ともに友好と信頼のきずなを確認し合いました。今後は、民間を中心とした経済交流などを進めますことで、安徽省との交流をさらに深めていきたいと思います。 先日、県警察本部の協力のもと、軽油引取税を納入していなかった石油製品の販売業者とその関係先に対して強制調査を行いました。調査の対象は、この業者の平成15年9月から平成16年1月までの取引に関するもので、納入していなかった税の合計額はおよそ6億3,000万円余りとなっています。強制調査は、本県を含めた7府県の41カ所を対象に総勢180名を超える体制で実施しましたが、今後はこの事件の実態の解明に努めますとともに、その成果を税収の確保と納税の秩序の向上に生かしていきます。 旅費事務の外部委託に関しましては、2月定例会でいただいた御意見を踏まえました見直し案を提案しています。旅行日程の作成や旅費の計算といった事務処理は、その効率化を進めるためにも1社にお任せしますが、旅券や宿泊券の手配に関しましては県内の旅行業者の登録制度を設けまして、その中から職員が自由に選ぶ仕組みにしています。あわせて、日当などの旅費制度の見直しも行いますことで、旅費コストの削減にも取り組んでいきたいと考えています。 続きまして、今回提案しました議案を御説明します。 まず、予算案は、平成16年度高知県一般会計補正予算など3件です。このうち、一般会計の補正予算は、先ほども申し上げました山内家が所有します国宝「高野切本」を購入するために要する経費や、室戸市が行う海洋深層水を利用した健康増進施設の整備に対する助成のほか、災害復旧のための補正など、合わせて67億円余りを計上しています。 条例議案は、高知県財政状況の公表に関する条例議案など9件です。 その他の議案は、高知県が当事者である和解に関する議案など6件です。 以上をもちまして、議案に関しましての私からの説明を終わります。何とぞ御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。---------------------------------------坂本ダム等に関する調査特別委員会調査報告の件、委員長報告、討論、採決 ○議長(森雅宣君) 日程第4、坂本ダム等に関する調査特別委員会調査報告の件を議題といたします。 これより委員長の報告を求めます。 坂本ダム等に関する調査特別委員長元木益樹君。  (坂本ダム等に関する調査特別委員長元木益樹君登壇) ◆坂本ダム等に関する調査特別委員長元木益樹君) 坂本ダム等に関する調査特別委員会が平成15年9月定例会において付託を受けた坂本ダム及び特定の企業との土地問題等に関する調査並びにそれに関する事項について、調査の経過並びに結果を御報告いたします。 この付託事件は、平成15年9月30日の依光議員の本会議での質問で事件の存在が明らかとなり、これが100億円を超える大型公共工事の談合疑惑であり、しかも現職の橋本知事の関与も疑われることから、議会はもとより県民の関心も高い中での調査となりました。 まず最初に、坂本ダム談合疑惑との関連で調査しました平成3年の知事選挙の資金疑惑について御説明します。委員会の発足当時、選挙資金の調査ができるのかが問題となりました。いわゆる笠メモにより明らかになった坂本ダム本体工事の落札企業等からの裏資金が、入札前の平成3年に行われた知事選挙で初当選した橋本大二郎知事の選挙資金に充てられたとする選挙資金疑惑を調査することができるのかであります。意見を交換した結果、この選挙資金疑惑は坂本ダム本体工事の談合疑惑に密接に関連しており、談合疑惑を解明するためにはその前提となる選挙資金疑惑を解明していくことが欠かせないとして、調査することになりました。 委員会の調査が開始された時点では、物証のないことや、発生から余りにも時間がたっていることが調査の大きな障害となりました。坂本ダム本体工事の談合疑惑とそれに関連する選挙資金疑惑を提起した笠メモには何も物証がなく、その疑惑自体の存在を疑問視する声や、12年以上も前のことを調査する不安もありました。この点では、まず笠メモや笠氏の陳述を立証できる物証を発見するしかないと委員会で確認し、調査を始めました。このような状況下でのスタートでありましたが、当時の関係者の方々からの証言や金融機関等からの記録の提出などの御協力によりまして、笠メモの内容に沿った事実が次々と明らかになりました。笠氏が町田氏から1億円を借用し、そして1億円を返済した事実、笠氏が巨額な出所不明金を金融機関に預け入れた事実などです。 しかし、証人尋問では大変残念なこともありました。証言をいただいた証人を地方自治法第100条第7項の虚偽の陳述で告発せねばならない現実に至ったことであります。調査を進めるにつれ、笠氏が返した1億円の詳しい実態が明らかになりました。その箇所は時間の関係で報告書を見ていただくことにして、詳しい説明を省略いたしますが、平成3年8月に高知に来て間もない笠氏が、わずか2カ月後にどのような方法でそれほどの巨額な資金を一面識もなかった町田氏から借りれたのか、このことに知事の関与はあったのかどうなのか、こうしたことが委員一人一人に強い疑念として残りました。ただ、笠氏がいずれかから巨額な資金提供を受け選挙資金に使ったこと、また町田氏への返済を行ったことは、金融機関の記録や証言等で明らかになっており、笠メモに書かれていたことは捏造されたものではないと言えます。そして、こうした巨額な資金が、何の見返りも求めず、何の関係もないところから笠氏に提供されたとは考えられず、建設会社は何らかの見返りを目的に巨額な資金提供をしたのではないかとの疑惑は依然として強く残っていると結論づけたところであります。 次に、直接の調査事件である坂本ダムの談合疑惑について御説明します。笠メモで指摘があった建設会社の当時の四国支店長や代表者にも証人として証言をいただきましたが、1人の証人を除いて、どの証人も資金調達や談合について関与をすべて否定いたしました。しかし、建設会社の証人が関与を否定しているにもかかわらず、坂本ダム本体工事に関して次のようなことが明らかになりました。事前に談合情報が2度にわたって流れた、談合情報どおりの共同企業体が落札した、落札率は98.41%という高率であった、不落の7企業体すべてが知らされていないはずの予定価格を上回り、なおかつ3番札から8番札までほぼ2億円の差額で均等に並んでいる、受注意欲のあるべき入札参加者が公正な競争入札をした場合に入札額が均等に並ぶということはあり得ないなど、10項目に及ぶ不自然な事柄です。この坂本ダム本体工事については、建設会社からの選挙資金の提供疑惑、今御説明しました入札に関する多くの不自然な事柄、笠氏がいずれかから資金提供を受けた事実があり、さらに、談合認定については、談合の直接的な証拠がなくても間接的な事実を総合することで認定する方法が過去の判例で認められていることを踏まえ、当委員会としては坂本ダム本体工事において談合が行われたと認めざるを得ないと結論づけたところであります。 次に、もう一つの調査事件である国分川弥右衛門地区の土地問題ですが、この問題は現在、高知地方裁判所において国と相手企業で係争中であり、司法の判断を仰いでおります。よって、委員会としては、この土地問題は結論において主に土木行政の問題点を指摘するにとどめました。 さらに、この報告書に第3章総括を設け、100条委員会の活動を終えるに当たっての総括を載せました。その総括における主なところを説明します。「坂本ダム本体工事の談合疑惑は、県政に対する県民の信頼を著しく失墜させることとなった。県は、談合情報対応マニュアルの作成や入札制度の改善に取り組んでいるが、再びこのような事態を招くことのないよう、綱紀粛正に努め、県政の信頼回復に全力を尽くすべきである」と県に対する要請をいたしました。また、当委員会の調査結果は、資金疑惑に対する知事の関与を否定するものでないことや、知事の証言を笠氏の証言と比較しても疑問が払拭されるものでないこと、さらに、これまでの一連の疑惑に対する知事の不関知、不関与である等の証言には依然疑問が残されていることを述べております。 そして、この総括の最後に、次の5行を載せました。原文どおり読んで御説明します。「知事には、それらの疑問を真摯に受け止め、県民に対し可能な限りの説明責任を果たすことを求めるものである。また、仮に、笠氏が真実に反する証言をしているとするならば、県政のトップに対する重大な名誉毀損であり、県も大きな信用を失ったことになり、知事は、笠氏に対し法的な手段も含めて、自らに掛けられた疑惑の有無を公の場で明らかにするなど、県の名誉回復に努めるべきである」、以上が第3章総括における主なところであります。この報告書の総括において述べている内容について、知事及び執行部は速やかに対応されることをこの場で改めて強く要請しておきます。 以上をもって、坂本ダム等に関する調査特別委員長報告を終わります。(拍手) ○議長(森雅宣君) お諮りいたします。 この際、委員長に対する質疑を省略し、直ちに討論に入ることに御異議ありませんか。  (「異議なし」と言う者あり) ○議長(森雅宣君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 これより討論に入ります。 通告がありますので、順次発言を許します。 41番田頭文吾郎君。  (41番田頭文吾郎君登壇) ◆41番(田頭文吾郎君) 私は、日本共産党と緑心会を代表して、ただいま議題となりました坂本ダム等に関する調査特別委員会の委員長報告に対し、反対の立場で討論を行うものであります。 反対理由の基本は、約1年間にわたって調査が行われた100条調査特別委員会が明らかにできた客観的な到達点からは確定しようがない、1億円の返済資金は熊谷組や新進建設等から調達したとの判断や、談合業者の証人を偽証告発もできないのに事実上談合を認定するという、まさに恣意的な結論づけを行っているからであります。100条委員会が明らかにできた金の動きの事実は、報告書の24ページから明確に書かれているとおり、笠氏の町田氏からの1億円の借り入れと返済、パチンコ業者からの借り入れと返済、笠氏が自分の口座に振り込んだ4,000万円などであります。しかし、それ以外は、報告書27ページの主な資金の流れにおいて示されているとおり、報告書がみずから確認できていないとしている項目が極めて多岐に上っているのであります。 例えば、肝心の部分とも言える平成3年12月26日の3,000万円、これは熊谷組から提供を受けたと証言しているが裏づけはとれていない、また、平成4年2月27日の3,000万円についても同様に、裏づけはとれていないとされています。さらに、建設6社からの1億円の資金提供についても、報告書に書かれているのは、残り9,000万円について他5社は認めていない、その資金が選挙資金に使われたのかは確認できていない、であります。そしてまた、平成3年12月19日の2,800万円については、資金の出所は建設6社からの1億円の残金かどうかの確認ができていないというのであります。 これらが100条委員会の到達点であります。このような事実関係が前提にあるからこそ、委員会報告書の(9)結論では、巨額な資金提供をしたのではないかとの疑惑は残っているとしか書けないのであります。しかしながら、委員長報告はいきなり、町田氏から借りた1億円が主に選挙に関する費用の支払いに充てられたもの、また、笠氏が町田氏への返済資金を熊谷組や新進建設等から調達したなどと判断、つまり断定しているのであります。このような判断ができる根拠は一体どこに示されているのでございましょうか。 そもそも今回の疑惑なるものの出発点となったのは、笠氏が書いたとされるメモと証言でありました。笠氏は、昨年の10月1日の高知新聞紙上で、「当時既に(談合で)落札が決まっていた共同企業体の代表業者を別の業者にひっくり返した。それでその共同企業体の代表業者と県内業者から金を出させることにした」として、ここに今回の構図、つまり談合による資金と平成3年の知事選挙の資金とのつながりが疑惑とされたのであります。ところが笠氏は、最初の証言である1月15日の証言で、メモでは平成6年とされていた時期を平成3年及び4年の時期へ2年間もさかのぼる訂正を行い、証言の矛盾を呈しました。 さらに、1月15日、笠氏はこう証言しています。「ダムを熊谷組に発注することによって、その裏金をつくって返済したらどうかという話は、間島さんと小川さんの間であったかもわかんないと。それは本人からきちんとした話は聞いておりませんからね。あくまでも推測の域を出ない」、また8月5日の証言では「そのお金がどの工事でどうするということは知らなかった」と述べています。これらを見れば、笠メモの内容は笠氏自身の記憶とも当時の認識とも全く違ったものであり、メモの原文は別の人物が準備したと考えられても不思議ではありません。このように、100条委員会での笠氏の証言は信憑性が認められず、到底説得力ある証言とは言えないものであります。 また、笠氏が当事者である選挙資金についてですが、笠氏が真摯に事実を明らかにする気があるのなら、まさに当事者なのですから、その多くを使ったとみずから述べた特定政党への金の流れを初め、その全容を真摯に県民の前に明らかにすべきではありませんか。これらの不自然さは、笠氏が当初から今回の目的を橋本4選阻止と公言したことと不可分のものであります。報告書が100条委員会の権限を逸脱して、一方的な証言を根拠に選挙資金の使途を判断していることも承服できません。 次に、談合の事実について、委員長報告は談合が行われたと認めざるを得ないと結論づけているのも問題であります。特に、何年に談合が行われたかという時期すら示すことができず、100条委員会設置よりも前に既に明らかになっていた10項目以外には、新たな根拠とできる事実は残念ながら見出すことができませんでした。報告書が示した10項目のほとんどは、昨年の監査委員の報告で述べられています。監査委員の結論は、それをもってしても本件工事が談合入札であったと断定することはできないとしており、事実認定の発展がないのに、これまでの議会や監査委員の判断を、解釈を変えることのみで踏み越えることには、論理上の飛躍と無理があるのであります。県議会が報告書で談合を事実上認定するのであるならば、関係者を偽証で告発できるだけの新たな根拠を示す責任があります。 次に、報告書の総括部分について一言申し上げます。坂本ダムの談合疑惑は13年も前の問題であり、ここでは、その後に起きた問題も含めて、その時々の知事の対応がどうであったのか、県民の期待であるきれいな政治に近づけたものであったかどうか、それこそがきちんと検証されるべきであります。知事は、平成4年当時既に、みずから天の声にと述べた笠氏を排除、その後、県政の透明度を高める努力を貫いています。また、やみ融資事件の教訓に立ち今回の特定企業の不当な働きかけを許さなかった知事の対応は、正当に評価されるものと考えます。 以上申し上げましたとおり、委員長報告の主要な問題点は、客観的な事実に基づかない一方的な断定であります。そこには、今回の疑惑なるものが、笠氏の証言と当初からの経過が示すとおり、業者の不当な要求の失敗と橋本4選阻止、特定候補者擁立の特定の政治的意図から出発し、最後までその思惑が貫かれたことが背景にあるとしか言いようがありません。今回の問題で県民が期待していたものは、談合や不当な働きかけを許さず、企業と政治家との金による癒着を断ち切って、県民本位の県政を築くということでありました。特定の政治的意図ではなく委員会が真に県民の願いにこたえるつもりなら、今後は談合を事実上認定した企業はもちろん公共事業を請け負うすべての企業から合法、非合法を問わず一切献金を受け取るべきではないとの決意を示すべきであります。何よりも、談合を名指しされた企業からの献金を、いまだに返済もせず受けつづけている政党や政治家の姿勢こそが問われていると思うのであります。 私たちは、13年前の選挙においても、9年前の選挙においても、橋本知事に対しては対立候補を立てて戦いました。そして、知事自身の姿勢と施策の変化に基づいて、評価すべきは評価をし、問題は厳しく批判し、県民の目線に立って県政にかかわってまいりました。また、一貫して政・官・業の癒着を断ち、談合防止に向けての具体策を提起し、議会内外において清潔な政治実現の先頭に立って戦ってきたものであります。今後ともこの姿勢で全力を尽くす決意を述べて、10分の時間でございますから全部に触れることはできませんけれども、私の反対討論といたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森雅宣君) 1番武石利彦君。  (1番武石利彦君登壇) ◆1番(武石利彦君) 坂本ダム等に関する調査特別委員会報告書を承認することに賛成の立場で討論を行います。 まず、報告書の調査結果の概要についてであります。先ほど委員長報告にもありましたように、委員会の調査が開始された時点では、坂本ダム本体工事の談合疑惑とそれに関連する知事の選挙資金疑惑を提起した笠メモには、それを裏づけるこれといった物証がなく、また12年という時間の壁も立ちはだかり、100条委員会は前途多難のスタートを切りました。100条委員会はまず、この笠証言をもとに証人尋問を行い、果たして笠証言どおりの事実が当時行われたのかどうかを中心に調査をいたしました。その調査の中で、笠証言の信憑性を高める大きな進展があったのは、証言どおり知事の後援会長である町田照代氏側から1億円が笠氏に貸し出され、後に笠氏はその1億円を町田氏側に返済した事実が、金融機関に残されていた記録によって判明したことでありました。 この事実が判明する前に、町田照代後援会長は証人尋問において、「笠氏との金銭の貸借は全くない。笠証言は根拠がない、お年寄りのおとぎ話だ」と笠証言を真っ向から否定し、さらに、「おとぎ話をもって高知県の税金を使うことに腹立たしさを覚える。口座に振り込んだと言うなら、証明をしてほしい」として、100条委員会のあり方にも強い疑問を呈したのでありました。高知県議会は町田氏を警察本部に偽証告発し、現在も捜査が続いておりますが、1億円もの大金の貸し借りを覚えていないといったことは、通常ではまず考えられません。また、仮に覚えていたのにもかかわらず何らかの理由で隠す必要があったとすれば、裏によほどやましいことでもあったのではないかと考えざるを得ません。1億円の資金貸与が表面化した際、高知新聞社の取材に対して「記録にあるが、記憶にない」との町田氏のコメントには、多くの県民が失笑いたしました。また、高知に来てわずか2カ月ほどにしかならず、単にあいさつを交わし合う程度の間柄の笠氏に対し1億円もの大金をぽんと貸したことは、通常では絶対にあり得ない話であり、その背景には何かがあったと思わざるを得ません。 また、笠証言によると、この1億円の返済に充てるために建設業者に相談し、公共事業の受注により資金の捻出を図った、またその後に、その公共事業が坂本ダム本体工事であることを知ったとされております。そこで委員会は、笠証言どおり坂本ダム本体工事受注をめぐり談合が行われたのかどうかを解明するための調査に取り組みました。談合の認定については、談合の直接的な証拠がなくても、間接的な事実を総合することで認定する方法が過去の判例でも認められております。当委員会の調査でも、1、事前に談合情報が2度にわたって流れた、2、談合情報どおりの共同企業体が落札した、3、落札率は98.41%という高率であった、4、不落の7企業体すべてが知らされていないはずの予定価格を上回り、なおかつ3番札から8番札までほぼ2億円の差額で均等に並んでいる、5、受注意欲のあるべき入札参加者が公正に競争入札をした場合に入札額が均等差で並ぶということはあり得ない、6、入札結果については県監査委員の監査結果でも、入札金額が一定差額に並ぶというような状況は事前の調整なしに偶然に生じるとは考えにくいとする指摘がなされているのであります。 また、落札をした熊谷組には過去に県土木部技術退職者が再就職したことがないにもかかわらず、入札の行われた平成5年のみに再就職をしていた事実があるのは極めて異例のことであります。こういった、これらの状況が浮き彫りになったわけであります。証人からは談合を行った旨の証言は得られなかったものの、普通、談合した当事者が談合を認めないのは当然といえば当然であり、その証言の多くは、知らない、記憶にないとなっております。しかし、これらは談合を否定する根拠を示したことにはなりません。先ほども述べましたように、談合の認定については間接的な事実を総合することで認定する方法が過去の判例でも認められていることなどから判断いたしましても、坂本ダム本体工事において談合が行われたと認めざるを得ないとする委員長報告は至極妥当であることは言うまでもありません。 次に、報告書の総括の章についてであります。この章の冒頭にもありますように、本県ではここ数年の間に県民への信頼を失わせる重大な不祥事が連続して発生しており、前回の100条委員会の最終報告からわずか3年足らずで再び100条委員会が設置されるということは、県政史上、異常な事態となりました。特に、平成3年の知事選挙において橋本知事の選挙事務所事務局長であった笠誠一氏が坂本ダム本体工事の落札企業から巨額な資金の提供を受け、選挙資金や選挙資金の借入金返済に充てた疑惑を払拭できないことは、重大に受けとめなければなりません。 報告書は、委員会の調査結果は資金疑惑に対する知事の関与を否定するものではないと総括をしています。なぜなら、疑惑に対する知事の関与については笠氏と知事の証言は全く相反するものとなっており、どちらかが虚偽の陳述をしているとしか考えられないからであります。地元高知新聞も、笠氏と知事の2人が証人尋問を受けた翌日の朝刊で次のように論評しています。「結果として知事は疑惑への関与をほぼ全面否定。笠氏の証言内容については、「正しい部分と誤っている部分がある」とも言い切っている。記憶が明快でなければ否定も肯定もできないはずだが、知事がそう判断する根拠は示されなかった」、「「備忘録的な手帳は残さない」とする知事に、笠氏側の「知事関与」の主張を覆せるだけの反証材料はあるのだろうか」、このような内容であります。 選挙の翌年に、知事は笠氏と建設業界との深い結びつきを危惧して東京の弁護士に相談に行ったと証言していますが、これこそが、笠氏が単なる選挙事務所事務局長の存在ではなく、選挙戦を通じて建設業界と深い結びつきを築いたあかしであります。また、知事がその際職を辞すことも考えたと事の重大性を認めていることや、笠氏が笠誠一の誠と橋本の橋の字を使ったと類推できる誠橋会なる組織を立ち上げようとしていた事実を考え合わせると、当時知事は平成3年の知事選挙で建設業界の資金が笠氏を通じて使われていたことを知っていたか、あるいはその強い疑いを持っていたと判断されます。さらに、なぜ知事は東京の弁護士の前で笠氏を厳しく追及しなかったのでしょうか。追及していれば、笠氏を取り巻く巨額資金がその時点で明らかになっていたはずであります。それをあえてしていないのは、笠氏のしたことを知っていたか、あるいはそのことが露見することを恐れたと考えるのが妥当ではないでしょうか。 また、今回の疑惑の発端や調査で明らかになった経過を見ましても、一連の疑惑には知事選挙における当時の橋本知事陣営の幹部や、その関係者が深く関与しております。したがって、知事の不関知、不関与であるとの証言には疑念があり、この点についてみずからの責任をどうとらえるのか明らかにすべきであります。また、仮に笠氏が事実に反する証言をしているとするならば、県政のトップに対する重大な名誉毀損であり、県も大きな信用を失ったことになり、知事は笠氏に対し法的な手段も含めて、みずからにかけられた疑惑の有無を公の場で明らかにするなど、県の名誉回復に努めるべきであります。また、笠証言が事実であるのなら、知事の政治責任は極めて重大であります。知事はみずからの良心に従った行動をすべきでありましょう。 以上をもちまして、私の賛成討論を終わります。どうか同僚各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
    ○議長(森雅宣君) 17番樋口秀洋君。  (17番樋口秀洋君登壇) ◆17番(樋口秀洋君) 私は、県政新風会を代表して、ただいま議題となっております坂本ダム等に関する調査特別委員会報告書について、反対の立場から討論を行うものであります。 国、地方を問わず、公共事業における談合問題や政治資金に関する問題は、国民の政治不信を増大させ、有権者を政治離れへと導く大きな原因となっております。このたび調査特別委員会に付託された事件は、平成6年に実施された坂本ダム本体工事の談合疑惑と、それに関連して明らかになった国分川弥右衛門地区の土地問題でありますが、平成3年の県知事選挙に関する政治資金疑惑との関連もあわせ、その解明調査を行ったものであります。 委員会の調査では、坂本ダム本体工事の談合について確証となる証言や物証を得るには至らなかったものの、資金提供など新たな事実の判明があった一方で、あいまいな証言に一層の不信感を抱かざるを得ないケースもありました。町田氏から笠氏への1億円の貸し付けが明るみになったことについては多くの疑問を呈し、さらに、建設業者からの資金提供においても、6社のうち5社は全面否定していますが、1社でも資金提供を認めたことは政治資金疑惑を色濃くしたと言わざるを得ません。しかし、このたびの調査特別委員会発足のきっかけとなった笠氏の証言や姿勢は、確たる信憑性に欠けているように思います。委員会報告書の総括においても、笠氏のメモや証言には金融機関の記録や任意に提出された資料で裏づけがとれた内容もあるが不明な箇所もあるとの指摘や、笠氏個人の東京の口座に4,000万円も振り込まれた疑問、さらには膨大な集金額があったことに対し使途不明な部分が多数あり、証言の不透明さが見え隠れする状況もありました。 中でも、委員の尋問に対し時には証言が極めてあいまいとなる笠氏の証言には、政治的意図を持っているのではないかと、なおさら不信感を募らせたこともありました。私が多額な金額まで提示して尋問した政党への工作資金に関して、みずからが政党への工作資金を認めておりながらその政党名は知らないとの連続した証言は、その意を強くしました。県民からは、笠氏の尋問が重なるにつれ、平成3年の選挙を通して一連の疑惑に深くかかわった張本人として、その証言が真実なら、まず笠氏自身の責任問題を明確にした上で笠氏は県民に謝罪すべきだとの多くの声が聞かれました。今回、県議会の調査特別委員会は高く評価されましたが、その一方で、県議会は10年以上も前の調査より、全力を挙げて行財政改革や不況問題など県政の緊急課題に取り組むべきだとの県民の声が、同時に多く聞かれました。私は、県民が緊急に期待する土俵とは別の土俵で県議会が奮闘したのではとの思いも残りました。 こうしたことから、私たち県政新風会は、このたびの委員長報告のすべてを全面否定するものではなく、全体的には賛同するものであります。ただ、このたびの調査特別委員会の取りまとめとして、次の重要な2点での同意は困難でした。まず第1に、坂本ダム本体工事については談合を立証できなかった事実を明確に位置づけなかったこと、第2に、談合認定について、入札率など列記された数値は通常の入札と特段の差異がなく、さらに、裁判では間接的事実の総合で認定のケースがあるというものの、捜査権を付与された司法機関の膨大な資料で構成された三審制の裁判と100条委員会調査が同列とは思えないことなどです。これらのことから、談合の事実は立証されなかったが談合は否定できないとの表現にとどめるべきで、それが本当に正確な表現だと主張したのでした。これらの最重要ポイントについて、委員長報告の、談合が行われたと認めざるを得ないとの表現は、もっと慎重な表現であるべきだと判断して、ここを反対するものであります。 ちなみに、県監査委員の監査結果の結論は、坂本ダム本体工事の入札結果について、疑問を払拭し切れない点はあるが、この入札結果のみをもって談合入札があったとまで判断することは困難と言わざるを得ないと取りまとめられています。申すまでもなく、委員会の調査で解明された多くの事実や新たな疑問や不審については今後の議会活動の中で、特に平成3年の知事選以前から言われていた談合入札問題は厳しく対処しなければならない課題だと受けとめております。 また、談合疑惑に対する知事の関与について、委員会のまとめでは、依然疑問が残されているとの指摘がありますが、議会でも知事が繰り返し答弁されているように、見知らぬ土地で初めての知事選挙に立候補する者が、公共事業の談合に関与できるでしょうか。出馬時の知事自身も、古くから高知県政でうわさされてきた談合体質を極度に嫌っておりました。また、当時の事務所では、候補者に選挙資金に関することは一切知らせない、相談しない方針だったと聞いております。何よりも、談合に関与すれば一発で自分の首が飛ぶくらいのことは、社会常識として十分に認識していたと判断しております。いずれにしても、今回の100条調査特別委員会の調査を受け新たに発覚した問題や、不信を増大させた物事にあっては、知事は一層厳しい姿勢で一日も早く県民に対する説明責任を果たされるよう強く要請して、反対討論といたします。 何とぞ議員の皆さんの御賛同をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(森雅宣君) 以上をもって、討論を終結いたします。 これより採決に入ります。 坂本ダム等に関する調査特別委員会調査報告の件については、委員会報告書のとおり承認することに賛成の諸君の起立を求めます。  (賛成者起立) ○議長(森雅宣君) 起立多数であります。よって、本件については委員会報告書のとおり承認することに決しました。 坂本ダム等に関する調査特別委員会の委員の皆様方には、約1年にわたり精力的かつ集中的に調査を行い、委員会報告書を取りまとめていただきました。大変御苦労さまでした。--------------------------------------- ○議長(森雅宣君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。 お諮りいたします。明22日から27日までの6日間は議案精査等のため休会し、9月28日から再開いたしたいと存じますが御異議ありませんか。  (「異議なし」と言う者あり) ○議長(森雅宣君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。 9月28日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。   午前11時18分散会...